障害者夫婦

夫も先日遂に障害者になった。
等級は2級。病名はうつ病。私と同じである。
しかし夫はゲームなど長時間何かをすることはまだ苦ではないようだ。

1番苦しいのが朝で、この世の終わりのような顔をしている。
シャワーを浴びに行く足取りも重く、何をしても、ふぅ。と息をつかねばならない。
私にとっても地獄の時間だ。
本当なら夫を休ませたい。
けれども夫は仕事に行きたい。
励ますしかないのだ。お互い頑張ろうと毎朝呪文のように繰り返す。

障害者同士の結婚、果たしてこれは正しいのかどうなのかわからなくなる時が多々ある。
けれど、失敗ではない。とは言える。
夫が仕事に無事に行けた日はとても安堵するし、苦しいのに偉いよって何度も何度も泣きそうになる。
帰ってきてご飯を食べられてる姿を見るとほっとする。
当たり前の毎日は、我が家にとって当たり前ではないのだ。
毎日が奇跡で、毎日が生き残ってやるという気持ちだけで生きている人間の痕跡なのだ。

なんで離婚しないの?と聞かれる。
正直離婚を考えたことが無いと言ったら大嘘になる。
けれど、この人が諦めていないのに私が諦める訳にいかないと思うのだ。
離婚をしたらきっとすごく楽だろう。
自分の体のこともやっとやっとなのに他人の世話から無事に放たれるのだから。
けれど、それ以上にやはり夫婦というものは人それぞれであるように、今はまだ離れようとは思わない。

これからどうなるかなんてまだまるでわからない。
とにかく今私達は一日一日を生きている。
一日一日を生きた先に何があるのか。
出来ればそれが光であって欲しいと願うばかりだ。