君は長年の友達

昨年の夏からずっと慢性的な吐き気と戦っている。食事を摂ろうとすると体が抵抗するような吐き気。もうこの体にエネルギーは必要無いよと体から言われているみたいに食べることが苦しい。食べたら食べたで吐きはしないけれど胃もたれを起こす。本当は吐こうと思えば吐けるくらいには気持ち悪いのだけれど、これをやったら摂食障害一直線なことはわかっているので必死に吐かないように胃薬に助けを求める。ここにきてもう一つ病を増やすのはさすがに御免なのだ。食べたくないなと食べないでいたら月の物が止まるくらいには体重が減ってしまって、家族の間では入院させる話まで出てしまったのでとにかく吐き気と格闘しながら食事をする。正直、苦痛以外の何物でもない。

 

この慢性的な吐き気は、小学生の時に友達のように私の体を襲った。起きるきっかけになったのは祖母の病気で、一気に変化した環境に子供の心はついていけなかったらしい。学校に行けなくなり、当時既に不登校だった兄がいたので、私だけは不登校を避けさせようとしたのか転校させられそうになった。一定期間、いとこの家に預けられたりもした。その間、ずっとずっと側にいたのは慢性的な吐き気だった。今思えば完全に自律神経が狂ってしまっていたんだと思う。体温も35度以下なんてよくあったし。いじめられていた頃は不思議と吐き気は無かった。次に強烈に襲ってきた吐き気は、パニック障害の発作の時だった。15歳で涙の再会。もう二度と会わなくて良かった友人と会ったみたいでまたお前かと思った。そして18から治療を受けるようになって、何やかんや緊張すると襲ってくるのが吐き気となっていた。それもだいぶ落ち着いてきていた近年だったのだけれど、友達はまたぴったりと寄り添うように戻ってきてしまった。しかも今回はなかなかの長期滞在で、じわじわと私の食欲を奪っている。

 

食べないと体重は戻らない。けれど食べようとすれば喉の奥がギュッと閉まって吐き気に襲われる。吐き気の波を見ながら、いけそうな時に食事を摂る。炭水化物を摂ることが1番難しくて、お米をどうやって摂取しようかが今の悩み。体重が増やせた時にやたらと食欲が戻ったのだけれど、体重が増えたことによって月の物が戻ってきたため、ホルモンバランスで食べられただけだったらしい。月の物が終わった今、吐き気がただいましている。帰ってこなくて良かったんだよ。毎日目が覚めて「食事」と思うと正直辛い。けれどこんな無様な生き方をしている私へ周りは「せめて食べて体重を戻そう」としか言わないでくれている優しさがわかるから、逃げられないなと思う。ゆっくりゆっくり、食事との格闘を続けていこうと思う。